watatoka’s diary

35歳、159cm、46kg

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和食の配膳位置

 

「配膳」とは食事の膳を食卓に並べることを意味します。

配膳にはルールがあり、地域によって多少違いが見られます。日々の食卓や友人などをもてなす際、和食の配膳を知っていると料理を美しく見せることにもつながるので、よりおいしく食事を楽しむことが出来ます。今回はそんな配膳の基本や地域による違いを紹介したいと思います。

 

 

和食の基本は一汁三菜

和食の基本形は「一汁三菜」といわれています。「一汁三菜」とは1点の汁物、3点のおかずが含まれる献立のことを言い、一般的に室町時代に誕生し、江戸時代に発展したといわれています。

「一汁三菜」は「いちじゅうさんさい」と読み、現代日本人の食事において汁物と3種類のおかずを組み合わせることで健康に必要な栄養素をバランスよく取れるとされ「理想的な献立」とされています。

 

一汁三菜の内訳

一汁

「一汁」は汁物を指します。文字通り汁気の多い料理で、たとえば味噌汁やスープ類などです。

 

三菜

「三菜」は汁物以外のおかずを指します。「主菜」1点と「副菜」2点、あわせて3点のおかずで「三菜」といいます。

 「主菜

「主菜」とは肉、魚、卵や大豆などがメインのおかずです。ハンバーグや焼き魚、冷ややっこやオムレツも主菜です。

 「副菜

「副菜」とは野菜や海藻がメインのおかずです。サラダや野菜炒め、酢の物、煮物などです。

 

また、「一汁三菜」の献立には「主食」を含みます。主食とはごはんや麺類、パンなどのことです。また漬物も一汁三菜の献立に含む場合もありますが、漬物は副菜として数えません。

「一汁三菜」とは主食に1点の汁物と1点の主菜、2点の副菜が含まれた献立となります。日々の食事でいつも一汁三菜を用意することは大変ですが、今回は和食の基本である「一汁三菜」の配膳位置をご紹介したいと思います。

 

配膳の基本形とは

・茶碗:左手前

・汁椀:右手前

・主菜:右奥

・副菜:左奥

・副々菜:中央奥

 

地域によって配膳位置は異なる

配膳の位置やルールは、基本的に全国どこでも同じとなっていますが、関西地方から中国地方では配膳位置が異なり汁物を左奥に置きます。

この汁椀を左奥に置くという場合の配膳方法は以下のようになっています。

・茶碗:左手前

・汁椀:左奥

・主菜:右手前

・副菜:右奥

・副々菜:中央奥

 

配膳位置の考え方

基本の配膳の位置の考え方

左手前にご飯を置き、右手前に汁物を置くという配膳方法には、日本の伝統礼法である「左上位(左上右下)」という考え方が関係しています。日本人にとって白米はとても重要な食べ物であったため、ご飯茶碗を左側に置くようになり、茶碗と対になる汁椀を右側に置くことになりました。

汁椀を左奥に置く場合の考え方

左奥に汁物を置く(メイン料理を右手前に置く)という配膳方法には、「メイン料理の見栄えがよくなる」「メイン料理が食べやすくなる」などのメリットがあります。そのため、特に商人気質が強い関西人は、あえて配膳の基本形を崩して、料理の見栄えのよさや食べやすさなどを重視したのではないかと考えられています。また、左奥に汁物を置くと「左手で汁椀を取りやすい」などの意見もあります。

 

その他の配膳位置

麺類は主食

麺料理は麺を主食として扱います。 ざるそばなどの麺は主食なので左側に配膳します。 天ぷらそばの場合、左側にそば、右側奥に天ぷらといった配置です。麺つゆも右側に置くことで、麺をつけやすくなります。

 

魚料理

魚料理は種類によって盛り付け方が異なります。

丸ごと1尾の場合

丸ごと1尾の場合頭を左側にして、腹を手前に向くように盛り付けます。 さんまや鯛などを盛り付ける際は、この形式が多いです。

切り身の場合

切り身の場合、背中を左側にして皮がしっかり見える方を上向きにして盛り付けます。 魚は背中の身が厚い部分を左側にします。

干物・開きの場合

干物や開きを盛り付ける場合、1尾丸ごとの場合と同様に左向きにします。 皮目ではなく、身を表側に向け盛り付けましょう。

 

デザート

デザートは左側に置いて、お茶を右側に置きます。

一汁三菜の考え方と同じく、デザートは主食にあたるためです。 また、温かい飲みものの場合、デザートと少し距離を開けておくと水滴がつきにくくなります。 種や皮が残るタイプのデザートは、むき出しになっているより懐紙(かいし)などで包めるようにしておくと便利です。

 

一汁一菜の場合

和食の基本形は一汁三菜といわれていますが、忙しい現代人は一汁一菜(ご飯、汁物、おかずという組み合わせ)になることも少なくありません。この場合でも基本は左手前にご飯、右手前に汁物を置いて、中央奥におかずを置きます。一汁三菜のときと同じ要領で食事を置くようにします。

 

洋食の配膳位置

洋食や中華料理などの配膳位置も、基本的には和食と同じでよいとされています。そのため、パンやパスタといった主食を左側に置き、スープを右側に置きます。なお、中華料理の場合にはラーメンとご飯の組み合わせなどもあります。この場合はメイン料理であるラーメンを左側に置き、ご飯を右側に置くこともあります。基本のルールを守りつつも、その食卓に合う配膳位置を選ぶようにしましょう。

 

おわりに

家での食事ではあまり意識されないことも多いかと思いますが、配膳の基本形である、「左手前にご飯を置き、右手前に汁物を置く。」また、これには地域差があり、あえて「左奥に汁物を置き、右手前にメイン料理を置いている場合もある。」ということは覚えておいて、家庭では臨機応変に対応して肩肘張りすぎず、美味しく楽しく食事をしたいですね。